皇太子殿下ご会見

皇太子さま ご会見の全文
【産経】 2014.2.23 05:07 (1/16ページ)
 
 


記者会見をなさる皇太子殿下

 
宮内記者会代表質問

(前略)

【問3】
 天皇陛下は昨年傘寿を迎えられ、皇后さまも今年80歳を迎えられます。両陛下が始められた「こどもの日」と「敬老の日」にちなむ施設訪問は、来年から皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻に引き継がれることになりました。公務については、殿下は過去の記者会見で「時代に即した公務を考えていく必要がある」と述べられました。両陛下の公務を引き継がれるにあたってのお気持ちと、新しい公務に対するお考えをお聞かせください
【皇太子さま殿下】
 公務についての考えにつきましては、以前にも申しましたけれども、過去の天皇が歩んでこられた道と、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致して、国民の幸せを願い、国民と苦楽を共にしながら、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けるということが大切であると思います。同時に、これまで行われてきている公務を踏まえつつ、将来にわたり生じる日本社会の変化に応じて、公務に対する社会の要請に応えていくことが、重要であると考えております

 天皇、皇后両陛下には、これまで、毎年、こどもの日、敬老の日及び障害者週間の前後には、関連施設を御訪問になり、入所者に心を寄せられ、また、多くの関係者をねぎらってこられました。このような両陛下のお気持ちを体して、私たちも心を込めて、この施設訪問を受け継がせていただきたいと考えております

 我が国社会は、少子高齢化、地方の活性化、環境・エネルギー問題や防災対策を始め様々な課題に直面しています。私としては、高齢者や障害者の方々、子どもたちを取り巻く環境や日本が直面してきた災害の歴史やそれに対する対応などを始めとして日本社会が抱える諸課題やそれに応じた社会の変化を知り、国民の皆さんが日々どのような苦労をし、また、それらを克服するためにどのように取り組んでいるかを学ぶように心掛けております。その際、そうした多くの方々の苦労を心に留(とど)めるとともに、課題を抱えながらも前向きに努力されている方々を少しでも励ますことができればと思っております

 また、同時に、世界各国との相互理解を深めていくことが大切だと思いますので、文化交流や国際親善の面でもお役に立てればと思っております。

 今後とも、常に学ぶ姿勢を忘れずに、世の中のためにできることを心掛けてやっていきたいと思います。

 

【問4】
 昨年は、皇室の活動と政治の関わりについての論議が多く見られました。天皇陛下は記者会見で、「問題によっては、国政に関与するのかどうか、判断の難しい場合もあります」と述べられました。殿下は、皇室の活動と政治の関わりについてどのようにお考えになっているのか、また心がけていることがあればお聞かせください。
【皇太子さま殿下】
 日本国憲法には「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」と規定されております。今日の日本は、戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ、現在、我が国は、平和と繁栄を享受しております。今後とも、憲法を遵守する立場に立って、必要な助言を得ながら、事に当たっていくことが大切だと考えております

 

【問5】
 宮内庁は昨年11月、天皇、皇后両陛下のご意向を受け、陵を従来よりも縮小し、400年ぶりに火葬を導入すると発表しました。殿下も了承されているとのことですが、この見直しについての殿下のお考えをお聞かせください。また、両陛下、秋篠宮さまとは、どのようなお話をされたのでしょうか。
【皇太子さま殿下】
 天皇陛下には、皇室の歴史の中に、御陵の造営や葬儀に関し、人々に過重な負担を課することを望まないとの考え方が古くよりあったことに思いを致され、御陵や御葬送全体についても、極力国民生活への影響の少ないものとすることが望ましいとのお気持ちをお持ちであり、同時に、これまで長きにわたる従来の皇室のしきたりはできるだけ変えずに、その中で今という時代の要請も取り入れていくことを心掛けていらっしゃいます。

 火葬の導入や御陵の縮小についてもこうしたお考えを踏まえたものであり、このような両陛下のお気持ちについては、以前より伺っており、私も秋篠宮も両陛下のお気持ちを尊重しておりますし、また、私も両陛下と同じように考えております

(後略)
 
※注 「皇太子さま殿下」⇒正しくは、「皇太子殿下」(皇室典範 第二十三条)