そうめん流しの落とし穴

 現在「国民の生活が第一」が、脱原発に向けてのケーススタディでドイツを視察に訪れていますが、ドイツの電力事情も日本と似通っているようで「Wikipedia」によると…
 

電力自由化(ドイツ) – Wikipedia

ドイツでは、自由化前、英国やフランスのように国有の独占的な電力会社は存在せず、垂直統合型の8大電力会社を中心に、自治体で運営する中小規模の電気事業者や地域エネルギー供給会社によって、電気の供給が行われてきた。

EU電力指令を受けて1998年にエネルギー事業法が改正されて自由化が行われ、発電部門の参入規制緩和や送電部門の会計・機能分離が行われた。特に小売分野は一挙に全面自由化された。送配電網の利用料金(託送料金)については、当初は他のEU諸国と異なり当事者間の交渉に委ねられた。

ドイツでは規制の実効性が低かったため、既存の事業者が高い託送料金を設定したことが原因で、新規参入者はほぼすべて撤退し、電力価格は2000年には上昇し始めた。また合併・買収が相次ぎ、8大電力体制が4大電力体制に移行し、寡占化が進んだ。そこで市場の競争状態を改善するため、託送料金については2005年から2008年末まで連邦系統規制庁(Bundesnetzagentur)による事前認可が必要となり、2009年からは独占者に価格引下げのインセンティブを与える規制が行われている。また、大手電力会社の送電系統運用部門は別会社化された。

 
 「垂直統合型の8大電力会社」…というのがどういう組織体系なのか不明ですが、日本に置き替えると北海道電力から沖縄電力までの、各地域の電力会社のようなものですかね?で、1998年(わりと最近)に電力自由化をしたワケですが、以前にも書いたように電気の供給において「要(かなめ)」になるのは発電側よりも送電側ですw。

 最終的に各家庭に引き込まれる配電系統を押さえているところが一番強いワケで、ドイツの場合配電網を独占?している大手電力会社が、電気の託送料金=送電線の利用料金を高く設定したことで…

商売にならない

…と見込んだ小規模発電業者は撤退し、かつ、撤退する企業を買収することで電力市場の寡占化がより進むという事態を招いたというコト。

 こうした事態は日本が電力自由化に踏み切るときにも十分に起こりうると考えられるワケで、ドイツではこの事態に対処するために送電部門を電力会社から分離したワケですが、民間企業である限り…

利益を最優先に考える

…ワケですから、十分な対策とは思えませんw。

 送電系統を民間企業任せにすると北米大停電のような事態が起こる危険性もあり、送電網は道路のような「社会インフラ」のひとつなワケですから、国および自治体が責任を持って管理する「公社化」するのが妥当ではないかと?
 

事例発生日付:2003年08月14日
事例発生地:米国およびカナダ
事例発生場所:オハイオ州、ミシガン州、ペンシルバニア州、ニューヨーク州、バーモント州、マサチュセッツ州、コネティカット州、ニュージャージー州、オンタリオ州(カナダ)

事例概要
真夏のアメリカ北東部8州とカナダ南東部1州で、電力供給支障が約6180万kw、停電人口約5000万人、被害額40~60億ドルと、北米史上最大の停電となった。米国オハイオ州北部ファーストエナジー(FE)社の発電所で送電線に障害が発生したのをきっかけとして、送電線の樹木との接触による遮断などで、電力系統内で電力動揺が発生し各州の発電所が次々と電力供給を停止したことが原因である。電力インフラストラクチャーの脆さを見せつける結果となった。今回のカスケード現象(連鎖的に伝播する現象)で生じた停電の範囲を図2に示す。
 


図2

原因
1.直接の原因

SEの停止:当時遮断中であったBloomington-Denios Creek送電線の状態がSEのモデルに反映されなかったことにより、採取されたデータとモデルデータの間に誤差が生じた。
FE社のアナリストがSEを更新後、忘れて自動制御機能を「オン」にしなかった
送電線が樹木との接触で遮断:FE社は、2001年と2002年の調査メモには、樹木の生長を警告する記述が残されていた。

2.被害が広範囲に広がった原因

FE社とMISOの双方停電の前兆を早期に察知することができなかった。
一部送電線への負荷が集中した。
「カスケード現象」(電力系統の構成要素が連鎖的に崩れていく現象)で送電線や発電所の停止を連続的に引き起こした。

3.根本的な原因

電力事業の小規模独立事業者への分割:規制緩和による「電力の自由化」で、小規模の独立事業者の参入によって電力の安定供給や信頼性維持が軽視された。その理由として、米国における電気事業は、歴史的な経緯から、数多くの中小規模の事業者(私営約230社、協同組合営約890社、地方公営約200社など)により運営されており、もともと電力流通の広域化に対応した設備投資が行われにくい環境にあった。このことはFE社における不適切な樹木管理にもみてとれる。

 
 
 さらに一歩進んで今後「自家発電」が解禁された場合のことを考えると、今回の「国民の生活が第一」のドイツ視察は「脱原発」に向けたケーススタディであり、太陽光発電、風力発電などの「再生可能エネルギー」への移行を模索もので、どちらかといえば…

発電側

…に主眼が置かれているワケでしょ?

 ま、ワタシとしては「ガスコンバインドサイクル」の火力発電設備が一番現実的であり、スグにでも「脱原発」に対応可能だと思うワケですが、「発電コスト」=「燃料費」が常に取り沙汰されますw。
 

 
 その一方で、「再生可能エネルギー」のなかでも特に太陽光発電は身近なワケですが、そのほかにも水力発電や風力発電といったローカル発電(自家発電)を推奨するために設けられた「電力買取制度」にも、チョットした「落とし穴」がありますw。

 自宅に設置した高額の太陽光発電パネルの「元」を取ろうと…

売電

…を考える人が多いと思いますが、「売電」するというコトは送電線に電気を逆流させるというコト。

 「そうめん流し」に例えると、上流から流れてくる「そうめん(電気)」を各家庭で食べていたのが、自宅で打った「そうめん」の余りを「そうめん流し」に逆流させるようなもので、逆流する「そうめん」が少なければ問題ないのですが、大量の「そうめん」が逆流するようになると「樋(とい)」が詰まってしまい、逆流しない状態になります。

 これを専門用語では「同一バンク問題」と言います。
 

 
余剰電力があっても売電できない場合があると聞きました。どんな場合でしょうか?
太陽生活ドットコム
 
 したがって太陽光発電が一般家庭に普及すればするほど、特に都市部などでは「同一バンク問題」の発生が懸念され、売電によって太陽光パネルの設置費を少しでも回収しようと考えても、目論見が外れる公算が大だという話。

 太陽光発電に限らず風力だろうと水力だろうと、売電=電気の逆流に関しての条件は同じなワケで、自家発電を志す人は…

売電はハナから論外

…と割り切るくらいの覚悟が必要かも?

 あとは、「同一バンク」にならない送電技術が開発されるのを待つしかありませんw。

 こうした状況を鑑みると、「再生可能エネルギー」への移行はそう易々と達成できるものではないことが分かります。「原点」に立ち戻ると、電力インフラは「発電側」の設備と「送電側」の設備で成り立ち、原子力発電は「発電側」の問題であり、そして「発電側」が立派でも、「送電側」が貧弱だとインフラとしては未熟

 その一方で、「送電側」が成熟=シッカリしていれば(例:スマートグリッド)、「発電側」の非力をカバーするコトもできます。

 ここで話は急にリトアニアに飛びますが、国民投票を実施したら原発建設に60%の国民が反対票を投じ、日立の原子炉輸出も先行きが「?」になってきたワケですが、それだったらいっそ…

ガスコンバインドサイクル発電所を売り込んだら?

…と思った次第。
 
リトアニア 原発計画当面は推進 第1党の野党党首言明
東京新聞  2012年10月17日 朝刊
 
 原子力発電所より遥かに安い費用、短い工期で発電所が立ち上がるのは、リトアニア国民としても望むところでしょうし、予め原子力発電所用に見積もった費用の浮いた分を送電網の拡充にまわせば、リトアニア国民に喜ばれること間違いなし!そのほうが…

商売人冥利に尽きる!

…と思いません?それなのにリトアニアの政治家も日本の政治家と似たり寄ったりらしく…

「国民投票は国民の助言であって、命令ではない」

…と国民の意見(意思)を無視する気のようで、日本国憲法と違いリトアニア憲法には…

主権在民

…が明文化されてないんですかねw?「主権在民」であれば…

国民投票の結果は国民(主権者)の命令に等しい

…という話w。

 ま、それはソレとして、火力発電(ガスコンバインドサイクル発電)用の天然ガスのコストが問題だと言うのであれば、件の?「オオマサガス」を天然ガスとブレンドして使用するという方法も考えられます。
 

 
 この「50 / 50」のブレンドガスで日立のガスコンバインドサイクルタービン発電機を回せるかどうか、実験してみる価値はあるんじゃないの?それに日立なら「オオマサガス」対応のガスタービンなんて楽勝で開発できるハズ。ま、日立でダメならIHIでもホンダでも構いませんw。

 いずれにせよ「金儲け」だけでなく、商品を売った後も感謝されるような「商売」でないとこれからのグローバルな世界=良い情報も悪い情報もインターネットで瞬時に世界中に広がる世界で、生き残れないんじゃないかと?「遠くの国」という感覚は薄れ、中東で起きている出来事であろうと日常生活に影響を与える、そんな時代にワタシたちは生きているワケですw。

シリアに平和を!アラブに平和を!
 
 
 
 

人間ナメんなよ!

でわっ!