南シナ海を巡るつばぜり合い

 ロヒンギャと呼ばれるミャンマーのイスラム教徒が難民化している問題が、最近クローズアップされるようになりました。歴史的背景と政治的背景が重なり合っているので軽々に論じる事はできませんが、報道されているように 「イスラム教徒」 と 「仏教徒」 が争っているのだとしたら、「仏教徒」の端くれのひとりとして…

とても残念ですw。

 そもそも?「仏教」 は非戦的な宗教であり、他の宗教を攻撃するなんて仏陀の教えに反するワケです。日本が過去、戦争に踏み切ったのは当時 「神道」 が国教とされていたからであり、歴史上には 「一向一揆」 のような勢力もありましたが、あくまでも 「専守防衛」 であり、攻撃的な面があったワケではありません。
 
ロヒンギャ – Wikipedia
 
 で、ミャンマーで仏教徒がイスラム教徒を迫害するような事態が発生しているのだとしたら、「同じ仏教国」 としては残念でなりませんw。
 

存在さえ否定されたロヒンギャの迫害をスー・チーはなぜ黙って見ているのか
NEWSWEEK 2015年5月29日(金)15時14分:ローラ・モフタ
 
民主化運動のシンボル、スー・チーにさえ顧みられない少数民族の絶望

 ミャンマーのイスラム教少数民族ロヒンギャの数千人が木造船などで漂流しているのが見つかった問題で、民主化運動の指導者でノーベル平和賞も受賞したアウン・サン・スー・チーへの批判が高まっている。

(中略)

 世界の人権活動家は、軍事政権に対抗して民主化運動のシンボルとなったスー・チーが、自らの影響力を使って暴力や迫害に反対できるのではないかと期待していた。しかしスー・チーは、こうした期待に応えてロヒンギャへの支持を表明することは避けている。

「誰かを非難しないから、と私を批判する人たちがいるが、彼らはそれがどんな事態を引き起こすかわかっているのだろうか」と、スー・チーは今年4月にカナダの新聞「グローブ・アンド・メール」のインタビューに語った。「倫理的な高みに立って正論を振りかざすだけでは、少々無責任だ」

(中略)

 だがこうした政治的思惑など、少数民族の迫害に比べれば些細な問題だと、人権活動家は訴える。「虐殺に対して沈黙するのは共犯と同じ。スー・チーも同じだ」と、ロンドン大学の法学教授ペニー・グリーンは英インデペンデント紙への寄稿の中で述べている。

(後略)

 
 『NEWSWEEK』 の記事は、スー・チー女史に…

もっとロヒンギャの問題に介入しろ!

…と圧力をかけているようにも受け取れ、してみると例の?『Economist』 の表紙にスー・チー女史が登場している理由は…

ロヒンギャの問題が国際政治にも影響を及ぼす

…と暗示しているのかも知れません。その証拠に?アメリカ軍は、ロヒンギャの問題を理由にタイに駐留しようとしていています。
 

タイ当局 米軍人にプーケット島 からの退去を要請
スプートニク 2015年05月25日 23:24(アップデート 2015年05月26日 01:39):エレーナ ニクーリナ
 

 
 タイ軍司令部は、プーケット島に基地を起きたいとの米軍当局の求めを拒否し、5日以内に島から航空機と軍人を退去させるよう求めた。新聞Bangkok Postが報じた。

 プーケット島に存在する米国の限定兵力は、演習「Guardian Sea」に参加したもので、同演習は20日に終了しているが、米当局は再三にわたり,タイ軍に対し、プーケット空港にロヒンギャ人の「ボートピープル」救助作戦を実施する基地を置かせてほしいと頼んできた。ロヒンギャ人は、ミャンマーに住むイスラム系住民で、迫害を受けミャンマーから逃れることを余儀なくされている。

 ロシア科学アカデミー東洋学研究所のタイ問題の専門家エレーナ・フォミチョワ氏は「プーケットに基地を置くのを許さなかったのは、米国の側から強まる圧力に対するタイ政府の拒否反応だ」と見ている―

「これは、タイの将軍達が、自分達こそがこの国の主人であると主張する一つの方法なのです。タイに軍事政権が誕生してから、米国は、選挙の実施や民主化などを要求し圧力をかけ始めました。そしてその後、ロヒンギャ人を不法に運んでいるとの非難が現れました。タイの将軍達はすでに、米国はタイの内政に干渉していると反発しました。プーケットの基地は、全く余計なものです。タイと米国は、長い軍事協力関係を持ち、米国人達は毎年、タイでいくつかの演習を行っています。その中でも一番大きいのが「コブラ・ゴールド」で、これには他の国々も参加しています。とはいえ米国にとって、プーケット空港はかなりの意味を持っています。プーケット島は、中東からアジア太平洋諸国に原油や天然ガスを運ぶ戦略的に重要な輸送ルート上にあるからです。又中国に対抗するという広いコンテキストにおいては、米国人にとってプーケット島の自国軍隊のプレゼンスは、大変重要なことです。タイ側は、今回の拒絶によって、伝統的な同盟国である米国に対し、内政への干渉と圧力が強まっていることに対する不満を示しているのだと思います。」

 
 アメリカ軍がタイに居座るとどうなるか?というと、こう↓なります。
 

 
 見て分かるように、沖縄、グアム、プーケットを結んだ三角地帯の中に南シナ海がスッポリ入り、ということわ?

 勘のイイ人ならお分かりでしょうが、アメリカが南シナ海にて中国を押さえ込みたい、覇権を維持したいのであれば、プーケットは外すことのできない戦略拠点のひとつになるというコトです。

 そのためにロヒンギャの問題は格好の理由付けに利用され、恐らく?スー・チー女史は近いうちに何らかの声明を発表して国際世論を盛り上げ、その世論なり国連決議なりを背景にアメリカ軍のプーケット駐留が正当化される可能性が高いということです。

 その下準備としての?『NEWSWEEK』 紙によるスー・チー女史への 「後押し」 であり、『Economist』 の表紙の意味も見えてくるワケです。
 

 
 つまり、ロヒンギャの問題と南シナ海の問題をリンクさせようとしている勢力が存在し、このことは必然的に沖縄の米軍基地問題にも波及します。沖縄も 「南シナ海トライアングル構想」 の頂点のひとつなワケですから、アメリカが手放すワケがないという話。

 逆に?プーケットからアメリカ軍を追い出せれば、沖縄の戦略的な重要性も薄れるのでアメリカ軍の沖縄撤収にも拍車がかかるワケで、ということは?ロヒンギャの問題に日本も無関心ではいられないという話になります。よね?

 だれの言葉だったか…

地獄への道は善意で舗装されている

…という言葉があったように記憶していますが、「人道的問題」 という大義名分を掲げて 「戦争」 を引き起こし、より多くの人が苦しむ羽目になるという 「本末転倒」 な出来事は世界中で起こっています。$$団の悪事が報道されない日はないくらいですが、アレにしたって事の始まりは…

シリアの民主化要求運動

…という 「善意で舗装された」 ように見えた、「アラブの春」 とやらによって引き起こされた事を忘れてはならないのです。

 ウクライナ問題にしても、「民主化」 の要求という 「善意で舗装された」 ように見えたデモから始まったワケですが、「民主化」 どころか…

独裁化

…しつつあるという、笑うに笑えない状況に陥っています。
 


2014年 2月21日時点:キエフ市庁舎「解放者ヒトラー」 – 5月21日付 ‘Le Monde’ blog より

 
地獄への道は善意で舗装されている

 悪事を為す人間は、「甘言」 を用いて人を騙すところから始めます。これは世界共通であり、「平和」 を口にしつつ、「安全」 を口にしつつ、「人道」 を口にしつつ…

人々を混乱に陥れる

…ということが、過去何度も繰り返されてきた事実を忘れてはならないのです。はい。
 
 
 
 

人間ナメんなよ!

でわっ!

 
 

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