誰が世界を変えるのか? 2

 
 国連広報センターのHPに、『持続可能な発展のための2030議定書』に掲げられる「17の目標」が掲載されているので転載します。
 
『持続可能な発展のための2030議定書』
(国連広報HPより)

目標1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標6 すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
目標7 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8 すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する
目標9 レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
目標10 国内および国家間の不平等を是正する
目標11 都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
目標14 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
目標15 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
目標16 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
目標17 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 
 で、重箱の隅をつつくようでアレですが、“development”「開発」なのか?それとも「発展」なのか?ということが引っ掛かるワケです。国連広報センターでは「開発」としていますが、ワタシが参考にしているネット辞書「weblio」によると「発達」「発展」という意味も併記しています。
 
 となると、翻訳者の「感性」によって意味が取捨選択されることになり、ワタシからすると「開発」と「発展」はビミョwにニュアンスが違うワケで、「開発」という言葉が「人の手の介在」を意識させるのに対して、「発展」という言葉は「より良い状態」を表すものであって、「開発」が「動的」な言葉だとすると、「発展」は「静的」な言葉として対比されます。
 
 つまり、『2030アジェンダ』「17の開発目標」は、その先にある…
 
発展した世界
 
…を実現するための「パーツ」であって、「開発」と「発展」のどちらに主眼を置くか?ということを再考すれば、「開発」の動機「発展」という将来像から生じるのは明らかです。よね?
 
 ところで?東日本大震災の直後にブータン国王夫妻が来日し、国会でも演説しましたが、ブータンといえば「国民総幸福量」
 

国民総幸福量 – Wikipedia
 
国民総幸福量(こくみんそうこうふくりょう、英: Gross National Happiness, GNH)または国民総幸福感(こくみんそうこうふくかん)とは、「国民全体の幸福度」を示す“尺度”である。
 
国民総幸福量は、精神面での豊かさを「値」として、或る国の国民の社会・文化生活を国際社会の中で評価・比較・考察することを目的としている。この目的は、国民総生産 (Gross National Product, GNP)国内総生産 (GDP) との大きな違いである。つまり、GNPまたはGDPが、計算方法に違いはあっても、或る国の社会全体の経済的生産及び物質主義的な側面での「豊かさ」だけに注目し、その国の国民生活を数値化、つまり「金額」として表現していることを批判するものである。GNPやGDPに示される或る国の資本主義的価値が、その国の国際的貿易経済での成長指数であるのは明白だが、この数値だけが、その国や国民を、国際社会の中で評価・比較・位置付けする一般的な手段となっていることに疑問視する観点から、国民の生活を、全く別の方向から比較・評価する基準を示すものとして注目され、使用されている。

 
 ついでにブータンに関しての逸話(真偽不明)として…ブータンで農村部に電線を引こうとした時、農村の住民が話し合い、「電線のせいでコウノトリの営巣地が失われるのはカワイソウ」との理由で、農村の電化を見送った…というのがありますが、自然と共存する純朴な農民であればありそうな話。
 
 自然と共存することに「幸福」を感じている人たちにとって、「開発」は必要ないという事例?であり、彼らにしてみれば「共存状態」をより確固たるものにすることが「発展」の基準であり、「幸福」のモノサシであるということ。
 
 したがって、「発展」が個人の「幸福度」の増長に寄与するものであるならば、それは「心の問題」にもなるワケで、「開発」という「物理的行為」もしくは「物質的(金銭的)豊かさ」とは必ずしも直結しないということです。
 
 もちろん?死んでしまっては「幸福」を実感することもできないので、「貧困と飢餓の撲滅」が「発展」の必須要件であることは疑う余地がありませんが、「生存要件」がひとまず満たされた上で更なる「幸福」を追求するとなると、各人の個人差が現れるようになるワケです。
 

 
 ブッチャケ、「強欲な人」もいれば、「清貧」に「幸福」を見出す人も混在するこの社会、この世界で、「強欲な人」を基準に「開発」を進めたらどうなるか?という話。遅かれ早かれ「持続的な開発」とやらも頓挫するでしょwなw。
 
 話が散漫になりそうなので簡単にまとめると、ワタシたちが求めるのは「過不足」の無い「平和」な世界での「幸福」の追求であり、「発展」の目標はそこに在るということ。したがって「持続的開発」=「永続的開発」=「終わりなき開発」は「発展」の本旨ではなく、あくまでも手段であることを心得、必要が無ければ「開発」を止めても何ら問題ないワケで、「開発脅迫観念」に捉われる必要はないということです。
 
 で、国連の「新アジェンダ」はそうした思想(哲学)に裏付けられているのか?ということが引っ掛かったもので…。
 
 もうひとつ、ついでに言わせて貰うなら、日本の国連広報のスタッフは「日本語力」が欠如してるんじゃないの?ミョwに「横文字」(例:ジェンダー、エンパワーメント)を使っているところからして。
 
 ひとりでも多くの日本人に国連の活動を理解して貰うという誠意?があるならば、一字一句をキチンと日本語に訳すのが「仕事」なんじゃないの?え?
 
Sustainable Development Goals
私訳:「持続可能な発展の到達目標」(注:誤訳多し)

Goal 1. End poverty in all its forms everywhere
あらゆる地域、あらゆる形態の貧困を撲滅します。
Goal 2. End hunger, achieve food security and improved nutrition and promote sustainable agriculture
食料安全保障と栄養改善を実現し、持続可能な農業を推進することで飢餓を撲滅します。
Goal 3. Ensure healthy lives and promote well-being for all at all ages
健全な生活を確保し、すべての年齢層のために福祉を促進します。
Goal 4. Ensure inclusive and equitable quality education and promote lifelong learning opportunities for all
包括的で公平な質の高い教育を確保し、すべての人のために生涯学習の機会を促進します。
Goal 5. Achieve gender equality and empower all women and girls
男女平等とすべての女性および少女の社会進出を実現します。
Goal 6. Ensure availability and sustainable management of water and sanitation for all
すべての人のために、有効で持続可能な水と衛生の管理を確保します。
Goal 7. Ensure access to affordable, reliable, sustainable and modern energy for all
すべての人のために、適正な価格で信頼性があり、持続可能な近代的エネルギーへの接続を確保します。
Goal 8. Promote sustained, inclusive and sustainable economic growth, full and productive employment and decent work for all
すべての人のために、一貫性のある包括的で持続可能な経済成長と、完全で生産的な雇用および正規雇用を促進します。
Goal 9. Build resilient infrastructure, promote inclusive and sustainable industrialization and foster innovation
柔軟性のある公共施設の構築、包括的で持続可能な産業化の促進および技術革新を推進します。
Goal 10. Reduce inequality within and among countries
当該国および国家間における不平等を削減します。
Goal 11. Make cities and human settlements inclusive, safe, resilient and sustainable
都市と人間の居住区を、包括的で安全かつ柔軟性があり、持続可能なものにします。
Goal 12. Ensure sustainable consumption and production patterns
持続可能な消費と生産のパターンを確保します。
Goal 13. Take urgent action to combat climate change and its impacts*
気候変動とその影響に対処するため、緊急の行動を取ります。※
* Acknowledging that the United Nations Framework Convention on Climate Change is the primary international, intergovernmental forum for negotiating the global response to climate change.
※ 国連気候変動枠組条約は、気候変動への地球規模の対応を交渉するための、主要な国際的な政府間フォーラムと認識されています。
Goal 14. Conserve and sustainably use the oceans, seas and marine resources for sustainable development
持続可能な発展のために、海洋および海と水産資源を保全し、持続的に利用します。
Goal 15. Protect, restore and promote sustainable use of terrestrial ecosystems, sustainably manage forests, combat desertification, and halt and reverse land degradation and halt biodiversity loss
持続的な森林の管理と、砂漠化と戦い土地を緑化して生物多様性の損失を止め、地上の生態系の保護と復元および持続可能な使用を促進します。
Goal 16. Promote peaceful and inclusive societies for sustainable development, provide access to justice for all and build effective, accountable and inclusive institutions at all levels
持続可能な発展と、すべての人に正義への接続を提供し、あらゆるレベルでの説明責任および包括的な機関の有効性を構築するために、平和的で包括的な社会を促進します。
Goal 17. Strengthen the means of implementation and revitalize the global partnership for sustainable development
実行手段の強化と持続可能な発展のために、地球規模での協力関係を活性化します。

 

ローマ法王:国連総会で演説「時の流れに応じ改革が必要」
毎日新聞 2015年09月25日 23時48分(最終更新 09月26日 00時15分)
 
【ニューヨーク草野和彦】 米国訪問中のフランシスコ・ローマ法王は25日、国連総会で演説し、今年で創設70年を迎えた国連は「時の流れに応じた改革と適応が必要」と述べ、安全保障理事会など国連機関の改革を訴えた。また、国連の新開発目標「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は貧者の救済に向け「重要な希望の兆候」と歓迎した。
 
 法王は、意思決定過程ですべての国が等しく影響力を持つという「究極の目標」に向け、「執行機関で平等性の向上が必要」と強調し、その一つに安保理を挙げた。戦後一貫し、拒否権を持つ5常任理事国が牛耳る構図を暗に批判した。さらに国際機関の融資制度が途上国の貧困を拡大させないよう訴えた。
 
 演説は、新開発目標を採択する首脳会合前に行われた。法王は、経済的、社会的疎外によって「最も貧しい人たちが苦しんでいる」と主張。格差是正や環境保護を求める2030アジェンダを評価。12月にパリで開かれる気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)にも期待を寄せた。

 
 
 
 

人間ナメんなよ!

でわっ!

 
 
追記:

「持続可能な開発目標」採択の前夜祭~貧困・不平等・気候変動を終わらせ、行く手に光を~
投稿日: 2015年09月26日 15時39分 JST 更新: 2015年09月26日 15時39分 JST
 
9月24日、国連特別サミットで今後15年間の新たな世界の目標、「持続可能な開発目標」が採択される前夜。貧困、不平等、気候変動の終結を目指し、世界中の2,000以上の市民団体が参加する大規模キャンペーンaction2015が 主催する#LightTheWayイベントが世界各地で開催された。
 

 
筆者がいるここニューヨークでは、ダグ・ハマーショルド広場が舞台となり、世界の著名な人道家、子ども・若者代表、ミュージシャン、宗教指導者、国連事務総長特別顧問などがステージに上がり、思い思いの「光」を手にした参加者と共に「行く手に光を!」「人々による、人々のための目標!」と声を挙げた。そして、これからの変革の主要な担い手として、世界16カ国を代表する子どもたちは、「今こそ、変革を」と英語、スワヒリ語、スペイン語で力強く呼びかけた。
 

 
期待と希望の熱気に包まれた空気。しかし、貧困、不平等、気候変動は、どれをとっても強い政治的意思構造的課題への取り組みを抜きにしては解決不可能な難題であることも、広場に集まった人々は共有している。果たして、どれだけの政治家や政策決定者の耳に、今日のかけ声は届いただろう。すべての人が尊厳を持って生きられる今と未来のために、そして地球の存続のために、これはただの始まりに過ぎない。決起集会を終えた人々は、これから取るべき行動、起こすべき変革への想いを新たに、それぞれの持ち場に戻っていった。
 
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
アドボカシー・マネージャー 堀江由美子

 
 

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