ヘゲモニー戦の要諦

いろんなことが同時に起きる

…と言った、ボブ・ディランの直感には感服します。前回述べた…

バラバラに起きているように見える出来事が、実は複雑に絡み合っている

…ということは、視点を逆にすると…

ひとつの目的のために、多くの事件が起きている

…というコトでもあり、「目的」に向かうベクトルを「流れ」と考えれば、川の水の流れが各所で渦を巻くのに似ています。

 『1984年』の重要なテーマのひとつである「二重思考」とは、「弁証法」の「テーゼ」と「アンチテーゼ」を「バウムクーヘン」…もとい、「アウフヘーベン」へと変化させる思考操作であり、そのために不可欠なのが「党(ビッグ・ブラザー)への忠誠心(愛)」というベクトル=「流れ」であるという話。
 


George Orwell (1903 – 1950)

 
 思い込み(バイアス)は、現実には存在しないものさえ「見た」と脳に錯覚させます。例えば、人は睡眠中に夢を見ますが、それは目が見たものではなく「脳が見た」ものです。

 『ナショナリズムについて』という小論の中でオーウェルは、「ナショナリスト」の特徴のひとつとして…

世界を分類(ラベル付け)したがる

…という点を挙げていますが、「分類」するという行為は必然的に「対立」を生み出し、「対立」が存在するトコロでは「弁証法」が適用できます。そして「弁証法」によって…

自分に都合のイイ流れ

…をつくりだすことが可能となり、「ナショナリスト」「ファシスト」はこれを利用するワケです…はい。
 

 
弁証法 – Wikipedia
 
 グラムシが提唱する「ヘゲモニー戦」とは、一般大衆が「文化的主導権を握る」ための戦いであり、そのためには「文化支配」から脱却しなければなりません。
 

 
 先のWikipediaの解説によれば、「弁証法」には…

「究極的な均衡点に到達するもの」

…という捉え方と…

「限界を暴き出し、絶えざる流動性・活性化の中に対象を投げ込むもの」

…という二通りの捉え方があるそうですが、前者の捉え方は「目的」に向かうものであり、すなわち「流れ」を作り出すのに都合がイイと言えます。

 翻って後者の捉え方は、目的は明確ではなくとも「とりあえず前進」することに重点を置いているワケで、ザックリ言うと「自分の立ち居地」がここにあるのか?それとも他の場所にあるのか?という違いであり、「人間回帰」の場合は後者に属するワケですが、「限界」=「肉体」を否定的には捉えず…

普遍的基準

…に据えて、あくまでも「基準(人間性)」+αで世界を再構成しようというもの。ただし、「感情」という情動(個人的嗜好)に盲目になると…

感情で思考が汚染される

…ともオーウェルは警告しています。

 話を「ヘゲモニー戦」に戻すと、世界の様々な局面で起きている出来事のひとつひとつが「大きな流れ」=「ヘゲモニー」の要素であり、それを「自覚」するか?しないか?で「弁証法」のトリックに引っかかるか否かに分かれるという話。
 

 
 ちなみに、大統領就任後もトランプ氏は苦しい立場に置かれているワケですが、それ(マスコミ報道)を傍観しているだけでは何も変わりません。就任式での言葉

私たちは、首都ワシントンから権力を移し、国民の皆さんに戻すのです。

…をアメリカ国民が望んでいるのであれば、自分が為すことは自分で考えなければなりませんし、アメリカ(世界)はいま、「別な未来」を宿し「陣痛」に苦しんでいるようでもあり、無事に産まれるか?死産になるか?はアメリカ国民に託されていると言えますw。
 


Antonio Gramsci (1891 – 1937)

 
知力勝負だw!

…と繰り返し述べているワケですが、それに加えて…

あきらめるなw!

…というコトが、「ヘゲモニー戦」では何より重要だという話w。
 
 
 
 

人間ナメんなよ!

でわっ!

 
 

広告