「黄色いベスト運動」現地レポート

“あなたの行う行動がほとんど無意味だとしても、それでもあなたは、それをやらなければならない。”

“それはあなたが世界を変えるためではなく、あなた自身が世界によって変えられないようにするためだ。”

マハトマ・ガンディー


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パリ在住IWJ会員からの現地レポート! 「黄色いベスト運動」はマクロン大統領退陣まで続くのか!? 「抗議しなければ、僕たちはいつまでも羊のままじゃないか!」
2018.12.10 (文:村岡和美 記事構成:IWJ編集部)

(前略)


 日本の友人から、「デモは少数で、過激な人がやってるんですってね」というメールが来ました。また、パリ在住の有名人がテレビで「怖かったです」などと言っている、と聞いて、これはきちんと伝えなければいけない、と思い、以下を記しました。

 「黄色いベスト運動」の発端はご存知のとおり、燃料税引き上げです。オランド政権の時に導入された炭素税をマクロン大統領はさらに引きあげる、と11月半ばに決めました。しかし、これはまさに、公共交通が乏しく車なしでは暮らせない地方に住む中低所得者を直撃する政策でした。

 したがって、地方から抗議の声が上がり始め、ソーシャルメディアや署名運動を通じて、「蛍光の黄色いベスト(フランスでは万一事故が起きた時のため車に備えておくことが義務づけられている)をつけて抗議運動をしよう」という呼びかけが、あっという間に全国に広がりました。

 11月17日土曜日、地方では機械化されていて無人の高速道路の料金所の占拠や道路封鎖が行われ、それは今も続いています。私が11月24日に地方から車でパリに戻った時も、料金所に黄色いベストを着た人たちがたくさんいて、ゲートは開いたままになっており、料金を支払わずに出られました。

 11月17日、パリでも抗議行動の第一弾が始まりました。労働組合による動員ではなく、リーダーもおらず、インターネットの情報を見て自主的に集まった人たちですから、整然としたデモではなく、思い思いにシャンゼリゼに集まった、という印象でした。

 シャンゼリゼには大統領府エリゼ宮がありますが、そこは警備に固く守られているので、凱旋門に多くの人が集まりました。シャンゼリゼは大統領府があるだけでなく、パリの観光の中心地なので、ここでデモを行えば、世界中に報道されるから、効果抜群なのです。

 こうした集まりにつきものの「壊し屋」もやってきて大暴れしたため、警察は放水車で放水し、催涙弾を浴びせました。この日、全国2000か所以上で、30万人近い人が抗議行動に参加しました。

 それでも政府は反対の声に耳を傾けなかったので、翌週の土曜、11月24日にもデモが続き、さらに激化しました。デモはもう「マクロン退陣」の大合唱になっていました。

 「警察が黒装束の壊し屋をわざと見逃した」と、テレビで証言する女性もいました。その週明け、大きな被害にあわてたマクロン大統領は1時間の演説をしましたが、「温暖化対策の一環として炭素税を増税するしかない。環境を考えれば、反対はできないはずだ」という空疎なもので、国民が何に怒っているのか、全く理解していないことが明らかでした。

 黄色いベストの人たちは、この演説にますます怒って、3週目の土曜12月1日にもシャンゼリゼに結集。この日は「壊し屋」の破壊活動も拡大して、かなり大規模なパリ炎上が世界に報道されました。

 マクロン大統領はアルゼンチンでのG20に出席するために不在でしたが、「独のメルケル首相の代わりにEUのリーダーになり、世界でも存在力を見せつけたい」という野心を持っているのに、自分の国すら治められなくて、面目丸潰れです。

 マクロン大統領はその後一切姿を見せず、発言もありません。フィリップ首相が政府の決定を国民に知らせる役目を一手に引き受けており、11月17日から毎週末、デモが3週続いた後の12月4日にやっと、燃料税値上げの6か月凍結を発表。さらに翌5日、6か月では皆が納得しないと思い直したのか、2019年には実施しない、という譲歩を発表しました。

 しかしそれは、4週目のデモを回避したいがため、というのが見え見えで、黄色いベストの人たちは「遅すぎる反応だ。信用できない」と行動の続行を宣言しました。

 その4週目が12月8日でした。

 朝早くから黄色いベストが続々と集まったシャンゼリゼは、まるで歩行者天国のような雰囲気でした。「このまま静かに終わればいいのに」と思ってテレビを見ていましたが、午後になると催涙弾が飛び交う戦場になっていました。シャンゼリゼから抗議者を排除しようと、軍人により構成される軍警察が鎮圧を開始したのです。

 シャンゼリゼから追い散らされた黄色いベストの人たちは、パリ市都心のターミナル、サンラザール駅からクリスマス商戦真っ只中のデパートでパリの名店ギャラリーラファイエットや、オペラ座の方まで拡散しました。

 シャンゼリゼから離れたバスチーユ広場やレビュブリック広場に集まる黄色いベストもいました。

 ボルドー、マルセイユ、リヨン、サンテチエンヌなどの地方都市でも集まりがあり、ここでも「壊し屋」が破壊活動を展開しましたが、モンサンミシェルのように、静かに行進する「黄色いベスト運動」もありました。

 12月8日の抗議行動の参加者は、全国でこれまでより少ない13万人、パリでは1万人でした。全国で2000人近い人が拘束されました。

 パリの抗議行動で興味深いのは、三色旗と並んでブルターニュやコルシカなど、地方の旗をふる人が目立つことです。現在進行中の貧富の格差拡大は、首都と地方の格差拡大にもつながっており、日本でも見られる「シャッター街」がフランスの地方でも増え続けているのです。

 政府系テレビBFMが、「黄色いベスト運動」のネガティブ・キャンペーンさながら、燃える車、商店略奪などの破壊活動ばかりを放映していました。BFMは凱旋門近くのファーマシーの上に陣取り、俯瞰で撮影しているので、シャンゼリゼを上から見た映像しか流さず、黄色いベストの人たちは、ファーマシーを見上げ拳を振り上げて、BFMにも抗議していました。

 「黄色いベスト運動」が「壊し屋」だというネガティブ・キャンペーンにもかかわらず、「黄色いベスト運動」はまだ、一般の人々の支持を失っていません。

 マクロン大統領は、富裕層を優遇する政策をどんどん進めており、燃料税値上げが中止されても、まだまだ反対することがいっぱいあります。年金生活者の税金も上がるので、高齢者がたくさんデモに参加しています。零細経営の救急車も、マクロン改革で医療現場が利益追求に走り、自分たちの仕事がなくなることを恐れ、ストを展開しています。

 人々の怒りはもう、政府というより、マクロン大統領一人に向けられている感があります。

 炭素税の次に槍玉に上がっているのが、彼が廃止した富裕税です。これまで不動産や金融資産の総体にかかっていた富裕税が、不動産だけにかかる不動産税にとって代わられました。

 「不動産を持っている人は個人的に家賃収入を得るだけだから、経済には貢献しない。投資資金を持っている人は、それをビジネスに投資して経済を回せる。よって、富裕税は不動産にだけかかるようにする」という理屈です。

 しかし投資資金がフランス国内に残る確証はないし、投機に使われるだけで、実体経済にどれだけの効果があるのでしょうか? マクロン大統領がかつて勤務していたロスチャイルド投資銀行の副社長だったころの発想をそのまま政治に持ち込んでいるのです。

 炭素税増税も富裕税廃止も確かに、2017年の大統領選挙でマクロン氏の公約に入っていました。しかし仏大統領選は、過半数が得られるまで決戦投票が行われ、最後に二者択一になるため、最終的に極右のルペン氏よりマクロン氏の方がマシ、という選択をした人が多かったにすぎません。

 黄色いベストを着た若者が、大統領選について「5年ごとにフランスでは、ペストかコレラかの選択を迫られるんだ」と言っていました。ヒラリーかトランプか、の米大統領選でもよく聞かれた言葉です。

 彼の公約を良いと思って彼に投票した人がどれだけいるでしょうか。彼は20%以下の得票率で大統領になったのです。

 だから私は、公約で言ったことでも、当選後、議会に諮ったり、何らかの議論があるものだとばかり思っていました。しかしマクロン大統領は、さっさとやりたいことを遂行しました。「原発依存を50%にする」など、すぐやれそうにないことは、「2035年までに」と、先の先の先の政権に委ねています。

 これからもマクロン政権は、パリ空港公団など、フランスの資産の切り売りし、大企業や金融資本の優遇、社会保障費の削減を続けていくことでしょう。なにか、日本の状況と似ていませんか?

 「黄色いベスト運動」はもう「燃料税値上げ反対」ではなく、「マクロンやめろ」運動なのです。パリ中心部のヴァンドーム広場やバスチーユ広場にギロチンの模型が運び込まれ、フランス革命のアナロジー(オマージュ)も散見されます。

 マリー・アントワネットが言ったとされる「パンがなければ(より高価なお菓子のような)ブリオッシュを食べればいいじゃないの」を下敷きにして、「燃料代が上がったのなら、電気自動車を買えばいいじゃないの」と、電気自動車を買う経費を一部負担する、というマクロン大統領の政策が皮肉られています。

 ディーゼル車をなくすため、電気自動車に買い換える人に5000ユーロ(約65万円)の援助をする、と言いますが、それでも買えない人が「黄色いベスト」の人々なのです。

 福祉予算を削減した上で、晩さん会用の食器に6000万円以上を費やしたというのですから、ルイ16世とマリー・アントワネットに比定されるのは当然でしょう。

 今回のことはおそらく、挫折を知らないマクロン大統領が経験する、生まれて初めての挫折ではないでしょうか。これまでのマクロン語録はひどいものでした。「駅は面白いところだ。成功した人とウダツのあがらない人が行き交う」とか、「屠殺場で働く文盲の輩」とか、今の日本でよく言われる「上から目線」そのものです。

 最初は、「若くて賢そうで、貧困や格差を是正すると約束していたので、やってもらおうじゃないか」と思った人も、すっかり幻滅しています。

 今回の運動で一番重要なのは、これまで発言しなかった人々、積極的な行動を取らなかった人々が、声をあげ始めたことです。「来週も抗議行動を続けるのか」と聞かれた若い男性の答え、「もちろんだ。抗議しなければ、僕たちはいつまでも羊のままじゃないか」という言葉が印象的でした。

 これまで黙りを通してきたマクロン大統領は10日夜8時(日本時間11日午前4時)、やっと国民に向けて演説をする予定です。しかし、黄色いベストの人たちはもともと期待していないので、来週土曜15日の行動を呼びかけています。


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 「黒装束の壊し屋」といえば、トランプ大統領の就任式のときにも暴れまわりましたw。
 

 
 で、「黒装束の壊し屋」の連中がやっているのは、端的に言うと「黄色いベスト運動」を…

政治的なものから暴力的なものに貶める

…行為であり、体制側に…

デモ鎮圧の大義名分

…を提供しているようなもの。したがって「黒装束の壊し屋」は体制側が送り込んだ工作員かも知れませんw。

 したがって、「黄色いベスト運動」に参加するすべての良識的な人々がそれに気付くか否かが、「黄色いベスト運動」の今後を大きく左右することになり、一時の感情に身を任して「黄色いベスト運動」に合流すると、「落とし穴」に突き落とされるカモw。

知的武装

…を怠り無くw。
 
世界で最も「貧乏」な大統領
2012年8月6日
 
 
 
 

人間ナメんなよ!

でわっ!