風知空知

100分 de 迷著

 TVをほとんど視ないワタシではありますが、そんな中でワリとチェックしているのがEテレの「100分 de 名著」という番組。

 作夜の放送 (再放送) は、ル・ボンの『群集心理』の 4回目 (最終回) だったのですが、第1回から 3回までの放送を見逃してしまったので、番組ホームページを参考に話を進めます。

プロデューサー A のおもわく

 まずはじめに、『群集心理』という言葉にどういうイメージを抱くかという点について、ワタシの見解から。

 もし、そこに何らかの「偏見」のような意識・感情が存在してれば、議論の方向性も自然と偏ったものになるであろうことは想像に難くありません。したがって、「群集心理」という言葉に「ネガティブ」なイメージを抱いている人は、「群集心理」を《悪いもの》として考えることから議論を展開することになります。そして「群集心理」という言葉が《イイ意味》で使われることは稀であることも確か。

 ワタシはまずこの点を問いたい。ワタシが繰り返し述べている「人間回帰」の観点からすれば、「人間の本質」は基本的に同一であり、したがって「衣食住」に関わる最低限の欲求は国や人種および、老若男女を問わず共通のものであり、それによって生じる「心理」もまた共通であるのは明白。

 つまり《人間的な生活》を求める「心理」「権利」は共通であり、それは普遍的な「群集心理」とも呼べるワケです。そしてこの「普遍的群集心理」によって圧政者の支配を退け、真の「民主的な社会」を構築するのがワタシたちに課せられた「人間の進歩」なのだというコト。

 しかしながら、「人間の本質」には「本能」=「獣性 (ル・ボンいわく衝動) 」も含まれていることは何度も述べている通り。「新自由主義」にみられるような「競争」を「善し」とする社会は、「獣」のように奪い合うことを「善し」とする社会だということはご理解していただけるハズ。「弱肉強食」が世の習いだとうそぶく人士は、人間を「獣」と同じに考えているか、本人が「獣」と同じレベルだと自白しているに過ぎません。

 自分の内に宿る「獣性」=「欲望 (衝動) 」を如何にコントロールするかが

人間の人間足る証し

… であるというコト。

 つまりワタシとしては「群集心理」という言葉に単純に《ネガティブなイメージ》を抱いてはいませんし、先に述べたように、圧政者の「支配」を跳ね除けるには、必要不可欠なものであるとも思っています。そしてそれは グラムシや マルクスも既に論じている次第 (ヘゲモニーとは群集心理の 一側面) 。

 したがって安易に「群集心理」をネガティブなものとするのは、ひいては「大衆の団結」を否定的に捉える風潮にもつながり、「大衆の分断」という …

圧政者の意向に沿った結果

… をもたらすように作用するであろうという話。

 ちなみに、マルクスは「社会主義」を否定的に … というか、懐疑的に捉えています。ザックリいうと「社会主義」は「理想主義」の色合いが強く、そして「理想的な社会」の実現および、構築のためには「資金」が必要であり、不可避的に「資本主義」にすり寄っていくだろうと。実例を挙げると、「共産主義」を弾圧したナチスは「社会主義」を掲げていた実例を鑑みれば、日本では混同されがちな「共産主義」と「社会主義」が別物であることは明白です。

「フランス革命 (1789 – 1799) 」において「第一次革命」の後に「恐怖政治 (テロリズム) 」が横行したのは、「社会主義」に引きずられ「制度」の徹底を急いだからで、「封建主義」に辟易していた大衆は「社会主義者」=「インテリ」の口車に乗って「革命」に参加したものの、本来望んでいた社会とは違うことに気づき「第二次革命」へと繋がるワケです。しかしそれも《資本家のバックアップ》があればこそ … という話で、結論から言うと、「革命」は見かけだけの中途半端なものであったのですが、当時の大衆の《教育レベルの低さ》故に致し方なかったとも言えます。

 本当の「革命」を成し遂げるには、《大衆 一人 一人の教育レベル (知的レベル) の向上》が、大前提として欠かせません。そして、インターネットの世界的な普及は大衆 一人 一人の知的レベルの向上を促す、重要な役割を担っているというコト。したがって、ネットゲームにうつつを抜かしている場合じゃありません。もっとも?「システム」の側からすればネットゲームにでも熱中して、政治に無関心であってくれたほうが助かるワケで、「パンとサーカス」の統治 (支配) 手法は現代に至っても有効なワケです。はい。

 それもこれも、ギリシャ=ローマの時代から人間は《1ミリも進歩していない》からであって、それすなわち「人間 (自分自身) 」に対する理解と探求を疎かにしてきた「ツケ」であり、その「ツケ」が溜まりに溜まって現在の世界ができあがっているワケです。ここらで「ツケ」を清算しておかないと、事態はさらに悪化の 一途を辿るダケ。ゆえに …

人間回帰

… の必要性を訴え、「目覚めること」=「個人革命」を提唱している次第です。はい。

 

 

人間ナメんなよ!

でわっ!

 

 



WordPress.com Blog.